このページでは、なぜ新しく予想データを作ろうと思ったのかというコンセプトを紹介いたします。

みなさんは、舟券予想を組み立てる際にどういうデータを使っていますか?

競馬ほどではないにしろ、ボートレースでもたくさんの予想データがあり、人によって重要視するデータは様々ですよね。

データを使う上で大切なのは、「そのデータをどう解釈するか」で、そこが予想の楽しいところです。

このサイトで掲載しているデータは、解釈をさらに楽しくできるような「選手それぞれの特徴」をわかりやすくまとめたものになります。

POINT
  • 選手の特徴を示すデータは多く、複雑
  • このサイトでは、必要な情報だけに限定
  • 選手の得意戦法や得意/苦手コースがわかる
  • 知識の少ない初心者の人にもオススメ

予想の基礎はデータの比較

ボートレースは、その名の通り、6艇のレーサーが着順を競い合う競争です。一人で走るわけではないので、自分と他5艇との関係性や相性が、レースする上では大切な要素の一つです。

これは、レースの着順を予想する舟券予想においても、同様のことがいえます。

例えば、1号艇が「B2級」で、2号艇が「A1級」のレースがあった場合、それぞれの実力を比較して、腕のある2号艇の方が勝つはずだと思うはずです。

こういった比較をレースに出走する6艇で行い、様々な観点から予想を組み立てていくことが、舟券予想における基礎だと考えています。

予想の根拠としてのデータ

予想に使うデータはたくさんあります。

  • 級別
  • 勝率(全国・当地)
  • モーター連対率・ボート連対率
  • 節間成績
  • スタート展示・周回展示
  • 展示タイム
  • 選手コメント
  • コース別成績
  • 気象条件
  • レース場条件 などなど…

まだまだ数えきれないほどあります。

沢山あるからこそ、どれを使おうかと悩みが多くなってしまいますよね。

ある程度予想になれてきて、予想の幅が広がってくる中級者ぐらいになると、あれもこれもと色々手を付けちゃって、データに混乱させられてしまうことがよくあるのではないでしょうか?


かくいう私もその一人で、予想が外れて悔しい思いをするたびに、新しいデータに手を出すようになって、どんどん予想が複雑になっていきました。

そんな悩んでいた時期に、出来る限り無駄を省いた、誰でも理解できるような予想データを作りたいという思いで、データ分析をはじめました。

データの区分

まずはたくさんあるデータを整理して、ややこしくならないように大きく3つの区分に分けることにしました。


その結果、「選手の特徴を表すデータ」と「選手以外のハード面のデータ」、「自然環境のデータ」の3つに分けることができました。

だいぶシンプルでわかりやすくなったのではないでしょうか?

しかし、実際のレースでは、この3つが複雑に絡み合うため、完全な着順予測をすることはハッキリ言って不可能です

なので、この中でデータを集めやすくて、予想にも役立つようなデータは何だろうと考えたときに、ソフト面の「選手特徴」にフォーカスを当てることにしました。

必ず選手それぞれに、1マークでの攻め方のクセや、得意なコースといった特徴があるはずで、それを知ることができれば、予想をより深くできるだろうと考えて、デー分析を始めました。

選手特徴とは?

選手の特徴を表すデータとは、どんなデータなんでしょうか?

なかなかアイデアが浮かばず苦労したので、まずはこれまでに世に出ているデータを見ていくことにしました。

公式サイトのデータ

公式サイトに掲載されているデータでは、選手の個人ページの部分に、進入コース別のデータが載っていました。


コース別3連対率(左下)

進入コース別の入着率を示したものです。連対率が高いほど、そのコースでスタートした時の着順が良いことを示しています。

コース別スタートタイミング(右上下)

進入コース別の平均スタートタイミングを示したものです。コース別なので、その選手のスタートが得意なコースと苦手なコースがどこなのかがわかります。

新概念データ

最近登場した、ボートレース雑誌「BOATBOY」が提唱するデータです。

普段レジャーチャンネルでレース中継を見ている人には、おなじみの画面ではないでしょうか(下図)。

BOATBOY_新概念データ


1コースまくられ率/差され率

1コースに進入したときに、どういう決まり手で負けたのかを数値化したものです。

逃がし率

2コースで進入した時に、1コースの選手がどのくらい逃げることができたのかを示しています。

まくり率/差し率

1コース以外のコースで1着になった時に、どの決まり手で勝ったのかを示したものです。その選手が1周1マークを旋回するときに、どういう攻め方でいくのかがわかります。


「新概念」というだけあって、非常にユニークなデータで、選手の特徴がよくわかるように工夫されているなという印象でした。

特に、壁になる2コースの選手に着目した逃がし率は、斬新で非常に面白いデータだと思いました。

今のデータがわかりにくい理由

そんな選手特徴データですが、私が実際に使ってみた感想として、少し使いにくい部分や違和感を感じる部分がありましたので、少しまとめてみます。

①十分な比較ができない

公式サイトのデータは、レースに出走している6艇を比較する分(相対値としてみる)には良いのですが、単純に一つの値だけに着目して見たとき(絶対値としてみる)に、その値がどのくらいの価値があるのかがわからないという問題があります。

例えば、1コースの1着率が「50%」の選手がいたとします。

この50%という値を評価するとき、同じレースに出ている選手の中で着順を予想することになるため、出走する他の5選手の1着率データと比較して、その優劣を判断すると思います。

しかし、「1コース1着率50%」という値が、1コースでの成績として優れているかどうかを判断することはできません。

経験的に1コース1着率の平均は何%くらいというデータを頭の中にインプットしていて、すぐに評価できる人には問題ないかと思いますが、平均値は時々刻々と変わりますし、そのスキルを身につけるのにも時間がかかります。

この問題を解決するには、同じコースを走った他の選手のデータをもっと多く集めて、比較する必要があります。

②比較対象が不十分

公式に比べて、BOATBOYの新概念データは、全国(全選手)の平均値を載せているので、上述した問題点をある程度解決できています。

しかし、ここにも問題点があります。

それは、全国平均の比較なので、女子選手だけのデータやA級選手だけのデータなど、限定的な集団における平均値がわかりません。

例えば、SGやG1の場合は、A1級の選手だけが出場するため、全国平均よりも高い値をもっている選手ばかりが集います。

そうなると、みんな成績が良いので、高い値同士で比較することになり、それぞれの特徴がぼやけてしまいます。

A1選手の中でも、イン逃げが得意な選手もいれば、苦手な選手もいるはずです。

そういった傾向が見えにくくなってしまうのはもったいないように思います。

これを解決するには、レースのグレードやカテゴリーを考慮した特定集団内でデータを分析し、比較データを用意する必要があります。

③コースごとの重みづけがない

ボートレースは、インコースほど有利な競技です。

基本的に1コースの勝率が最も高く、6コースは勝率が最も低くなります。

これを考慮せずに単純に値を比較してしまうと、外のコースにいくにつれて成績が下がってしまうので、5コースや6コースは、低い値同士を比較することになります。

例えば、新概念データで、5コースが「まくり1勝/まくり差し1勝」、6コースが「まくり0勝/まくり差し1勝」というデータがあったとき、どう判断するかは難しいところです。

勝てる可能性が低い外枠で勝てるのだから「得意」だと考えるのか、1勝か2勝は少ないと見て「苦手」だと考えるのかといったところで、無駄な悩みを持つことになります。

この問題を解決するには、それぞれの外枠に行くにしたがって勝率が下がることを考慮したうえでの比較データが必要になります。

本サイトのデータの特徴

このサイトで扱うデータは、上記の3つの問題点を自分なりに解決したものです。

早速フォーマットを見てみましょう。


できる限り無駄を削いだうえで、シンプルかつわかりやすいことをテーマに作成してみました。

中身は某野球ゲームの能力値データみたいなイメージでみてもらえるようにしました。

詳しい内容の説明とデータの見方は、こちらの記事に載せておりますので、そちらを参照ください。

こだわったところは、以下の点です。

コース別の勝率を棒グラフで表示

右側の棒グラフは、コース別の勝率を相対値で表したものです。左から順に1コースから6コースまでを表示しています。

比較対象は、同じコースを走った特定集団の勝率にすることで、①~③の全ての問題点が解決できるようにしています。

グラフの高さが高くなるほど、その集団内での勝率が高いことを示すため、わざわざ平均値を調べたり、暗記する必要はありません。

特定集団は自由に変更できるため、SGであればA級選手だけの比較にしたり、女子戦であれば女子選手だけの比較にすることができます。

それぞれのコース別に集団内の相対値を計算しているので、わざわざ外枠に行くほど値を下げてデータを解釈する必要もありません。

さらに、棒グラフとして表示しているので、進入のクセや、それぞれのコースの得意度も一目でわかるようになっています。

例えば、上の例を使ってみると、

  • 高さがそろっている:苦手コースのないオールラウンド型(毒島選手)
  • 尖っているところ:得意コース(石野選手の3コース)
  • 凹んでいるところ:苦手コース(吉川選手の内枠)
  • 値がないとところ:前づけして走っていないコース(白井選手の6コース)

と、簡単に判断できます。

相対評価値にする

フォーマットの英字の下に書いている値は、棒グラフデータと同様に、特定集団の中での評価値です。

「50」がその集団の中での平均値になるように設定しているので、50よりも高ければ平均以上の能力、低ければ平均以下の能力になります。

上の例は、2019年のグランプリ優勝戦なので、「全てのA級選手」という集団内での相対的な能力評価値にしています。

選手によって、特徴がハッキリ出ているかと思います。

例えば、3コースの毒島選手はまくり(46)よりも差し(67)を得意にしている選手ということがわかります。

たった二つのデータですが、これだけで1マークでの展開がかなり予想しやすくなります。

ちなみに、毒島選手は、実際のレースでもまくり差しを狙いに行っていましたので、データ通りになりました。

値の評価をのせる

某野球ゲームを参考にしたんですが、評価の数値をS, A, B, C, D, E, Fの7段階で評価して、記述しています。
(詳しい数値の内訳は「データの見方」ページで確認ください)

数字だけでは、どのくらい優れているのかが分かりにくいと思ったので、一目でわかるようにしてみました。

上の例では、さすがのグランプリということもあって、最高評価のS(上位5%)が多いことがわかります。

得意戦法がわかるように

前述のように、新概念データにある「コース別のまくり/差し度数」のデータは、外枠にいくほどデータ自体が少なくなってしまうという問題点がありました。

それを解決するために、2~6コースのまくり/差し度数のデータを全て合算しました。

そうすることで、「それぞれのコースでどういう攻め方をしたのか?」ではなく、「得意な攻め方(得意戦法)は何なのか?」ということを重視したデータにしました。

レースの展開を左右する3コースや4コースの選手の攻め方を予想しやすくなるようなデータです。

1コースは、反対に外枠からの攻めを守る方なので、まくられ率や差され率のデータを載せるようにして、負け方のパターンを見れるようにしました。。

平均STではなく、ST力に

平均STだけではスタートの安定度を評価できていないと思ったため、独自の指標「ST力」を作りました。

どういうことか説明すると、

例えば、同じ「平均ST 0.10」という値でも、0.00と0.20の2つから計算した平均と0.10と0.10の2つから計算した平均、では平均の持つ値の意味が異なります。

前者の方では、STが速いときもあれば遅いときもあるため、値のバラつきが大きい(安定性が低い)と判断できます。

後者の方は、STが2回とも同じ値なので、値のバラつきが小さい(安定性が高い)と判断できます。

このデータでは、スタートの安定性の高さも評価に含めるようにしているので、前者では評価が下がり、後者では評価が上がるようにしています。

なので、安定性が高ければ、平均STが速い選手よりも遅い選手の方が評価されることもあります。

ちなみに、2018-2019年の最高値は、菊池孝平選手でした。
平均STも抜群に高いので、スタートの速さと安定性の両方を兼ね備えた選手だということがわかります。

知らない選手でも特徴がわかる

長年ボートレースをみてきたベテランの方なら、いろんな選手のデータが頭にインプットされているので、名前をみるだけでその選手のクセや特徴がわかるかと思います。

ここが、ボートレースをはじめたてばかりの人との大きな差で、アドバンテージだといえます。

しかしながら、初心者の人でも、このデータをうまく使えるようになると、クセや特徴が、名前を知らない選手でも、ある程度把握できるようになります。

つまり、初心者の人でもベテランレベルの知識に追いつくことができるかもしれません。

まとめ

いかがでしょうか?複雑なデータをできる限りわかりやすく、簡単にしてみたつもりです。

これまで、いっぱいあるデータをにらみながら、選手の特徴を分析して、他の選手と比較しながら…という作業を行ってきた人は、結構面倒くさい作業だと思っていたのではないでしょうか。

このデータならパッと一目でわかるため、データを読み解く無駄な時間を削減し、展示やコメント、オッズのチェックをする時間に割くことができます。

その日のグレードレースを中心に公開していますので、ぜひ活用してみてください。